グズさんのグズさんによるグズさんの為のブログ

ただ書きたいことを書き綴るブログ

図書室のネヴァジスタ プレイ感想

 


都志見文太先生原案のPCゲーム、「図書室のネヴァジスタ」をプレイしました

 


最初にこの作品を知ったキッカケは、アイナナ3部の後半であのファン達を激震させた百がベランダから投げ捨てられそうになるシーンの時に、私のTLに流れてきたツイートです

 


「ネヴァジスタなら死んでた」

 


それを見てネヴァジスタというワードを検索し、アイナナのシナリオを書いている都志見文太先生の作品だということを知りました

 


実は最初は、ゲーム実況を見るところから入ったんですよ

 


PCをあまり使わないということもあり、ゲーム実況で序盤を見ておもしろそうだったら購入しようと思ってて

 


正直に言いましょう

 


話が見えなさすぎて途中で断念しかけました

 


槙原先生の視点、賢太郎の視点で時間軸の移動、そして突如組み込まれる過去回想などもあり、話が飛んだり戻ったりして理解が追いつかなくてですね

 


人物と名前も自分の中でなかなか一致しないし、感情移入どうこうよりも状況の把握ができなくてモヤモヤするという第一印象でした

 


後にはその感想で正しいと分かるんですけどね

 


こう、登場人物は色々と分かってるってことを前提に進んで、読み手側が置いてけぼりになる作品は嫌いじゃないしむしろ好きなので、先に言っておいてよーという気持ち(知るか)

 


だからこそ何も知らない槙原と同じ状況なので味方はこの人だけ

 


人に勧める時は、分からないのが正解だよーと伝えています

 


一文一文情景や意味を整理してから読み進めたいタイプなんですが、ネヴァジスタ一周目は多分無理

 


だからこそ二周目がくそ楽しい

 


ようやく、あぁ、これはこーゆーことだったんだって伏線が自分の中で繋がる

 


ネヴァジスタのゲームの、誰かが喋ってる時に違うキャラクターの立ち絵が映ったりする演出がすごく好きなんですけど、「あー、今このキャラはこの言葉を聞いてあのことを思い出してるなー」とか思いながらいろんなことが繋がる快感はまじでやばい

 


てか、序盤からあれもこれも伏線すぎて、初見でこんなん分かるかってというかんじ

 


そんな私が最初に心惹かれたのが、咲と煉慈の「僕は解答用紙を貰ってない」の部分

 


あ!好き!都志見先生みある!

 


やばいこれ面白いぞ?と思ってそこからは購入してプレイした記憶です

 


誕生日が近かったこともあり、自分への誕生日プレゼントとして買ったことを覚えています

 


…ね、まさかね、誕生日のお祝いとして地獄に足を踏み入れることになるとは思いもせずにね…

 


そして後半はどんどん伏線が回収されていくし、今まで散らばってたいろんな記憶や情報が一つに繋がっていくかんじがまぁおもしろくて

 


そして大団円ルートを終えた後、「ん?まだ回収できてない伏線多くね?」と思ったら個人ルートですって!

 


結局はネヴァジスタの秘密が明かされるのも個人ルートでのことだし、こんなふうに枝分かれした先で物語の核となる部分が明らかになるなんて構成天才か!

 


アイナナもそうなんですけど、全ての物語やストーリーは都志見先生の頭の中に既に出来上がっていて、それをどのタイミングでどういう形で出すかということだけなんだよなぁ

 


後付けの設定とかがほとんどないし、「え?いつからこの伏線張ってた?最初から?」ってことがめちゃくちゃ多いんですよね

 


本当にすごいし、神だと思う

 


あとアイナナの好きなところでもあるんだけど、「誰にでも優しいキャラ」や「誰にでも厳しいキャラ」っていうのがいなくて、人によって態度や接し方が全く違うところが本当に人間らしくて好きなんだなぁ

 


ネヴァジスタの場合はそれがより際立ってるかんじだからより好きだし、ちゃんとその理由が後から明確になるところもものすごく好きで

 


ただ、ある程度キャラを知ってからじゃないと、一人一人の名前と顔と性格を覚えるのに困惑する

 


煉慈のイメージ

「あー、この子偉そうでヤなかんじの性格だなー、覚えやすいわ」

「ん?今このちっちゃい子にめちゃくちゃ低姿勢で話しかけなかった?そんなキャラだったっけ?」

 


茅のイメージ

「この人先生に対してめちゃくちゃ人当たりいいし優等生タイプなのね、みんなのせいでトラブルに巻き込まれちゃって可哀想…」

「おん?え?なんで今浴槽に沈めた?あれ?茅って、あの優等生で温厚の茅だよね?名前間違えてる?ほえ?」

 


ってことが度々あって、覚えるのに苦労したさぁ!!!

 


そして最初プレイしながら思った正直な感想は、「この子達にまだなんの感情移入もできないけど、終わった頃にはアイナナのキャラ達みたいにめちゃくちゃ愛しくなってんのかなー、多分そこまではなさそうかなー」

 


ばっきゃやろぉぉぉぉぉ!!!!!!!

 


今のおまえの生活の9.9割が彼らへの愛しい感情で形成されてるものだということをあの頃の私にキツく言い聞かせてやりたい

 


ホントに、ここまでこの作品にハマると思わなかった

 


軽率に地獄へと足を踏み入れたことを後悔するといい(もうしてる

 

 

 

 


さて、ここからは各キャラクターに関しての感想です

 

 

 

保谷

 

 

 

最初の推しです

 


ホント可愛い愛しい幸せになっての三拍子

 


子供っぽいと思ったら急に大人みたいなこと言い出したり、探り探り必死に生きてるかんじがしんどいし辛い

 


THE 都志見先生の作品のキャラってかんじで、心の中に葛藤と罪悪感があって、愛されたいと願いながらも自分を愛することができない臆病さが人間らしくてすごく好き

 


春原百瀬だと思ってる(あとホープ

 


槙原や幽霊棟のみんなにはニコニコして相手の欲しい言葉探しちゃうワンコなのに、賢太郎やさっちゃんに対しては辛辣ってか輩っぽい態度取るとことかまじで性癖だし

 


最初はなんでかなって思ってたんだけど、読み進めていくうちに過去のことで罪悪感がないからなんだって分かるの、まじでしんどいけどよくできてるなって感心してしまった

 


ちゃんと、そうなった理由があるんだよなぁ

 


そして好きなエンドはやっぱりティンカーベルです

 


ティンカーベルに憧れる子供は健全じゃないよって先生は言ってたけど、憧れるその気持ちすっごく分かる

 


自分の身を削って誰かの為に死ぬなんて、不謹慎だけど最高にカッコいいじゃん?

 


古川や春人もそうだけど、みんな自分がヒーローになれるそんな瞬間を今か今かと待ち焦がれているんだよなぁ

 


だからこそ茅ルートでの晃弘への執着も理解できたし、その為だったら誠二を殺すことだってできるってのがもう…

 


あと一番リアルだと思ったエンドは空っぽの国エンドで、瞠が口を閉ざして全ての罪の悪役を引き受けたまま、みんなが楽しそうにしてる姿を一人ぼっちで眺めてる姿がさぁ…

 


大切な人の為なら自分を犠牲にすることに一切の躊躇いがない瞠…好きです

 


誠二のことに関してはいろんな感情が入り混じると思うんだけど、大嫌いで大好きで、神様であり悪魔であり、親のようでただの幼い子供だってポジションはホントに難しいよな…

 


意外だったのは、自分が悪事に利用されてると気付いた時点で誠二に失望しなかったこと

 


幽霊棟の子供達と再会して、見ず知らずの他人だった同い年の子供達に顔と名前ができて、ようやくその罪悪感が誠二を庇う気持ちを上回ったっていうのがまたしんどい

 


ハニカムでの前日譚を見てからはその心情の変化がよく分かるんだけど、誠二を好きなことを誰かに許して欲しかったんだって言う瞠くんまじでめちゃくちゃ泣いたからもう私はかんなみはるから抜け出せない

 


「君にさえ出会わなかったら始めてなかった」

って言う最低な誠二の言葉を

 


【あの時誠二が言いたかった言葉がーー

今になって なんとなく分かるよ

あいつはこう言いたかったんだ

"どうして一緒に始めたのに

君が隣にいないんだ"

母親が隣からいなくなった理由も

俺が隣からいなくなった理由も

今でも誠二は分かってない

俺が慕っていたのは

崖の上に置き去りにされたままの

小さな迷子だ】

 


って解釈できる瞠スパダリすぎやせんか??

 


誠二なんかよりよっぽど大人で男で真人間なんだよなぁ…

 


あの…負担は大きすぎると思うんだけど…あなたしか頼みの綱がないのでどうかあのバブちゃんのことを救ってやってくださいよろしくお願いします…

 


SSの金より尊いブルーがかんなみはる推しの私にとっては至高なのでもう無理

 

 

 

 


白峰春人

 

 

 

天使、聖母、マリア様

 


白峰ルートは一番泣いたルートで何度も見返してるし、いろいろ共感しかなくて感情移入しまくりで死んだ

 


んもーう春人はさ、ホント美しいしセクシーだけど、自分のその容姿にコンプレックス持っちゃってもうしんどい!

 


男らしい容姿に生まれて力もあってロビンフッドみたいに勇敢になりたかったんだよね…

 


でもオバケは怖いし臆病だし、理想の自分とかけ離れすぎてただ辛くって…

 


「いつものようにため息一つで諦める支度をして、苦笑を零しただけだった」とかももう哀愁漂わせて色気がハンパない

 


それだけでもキャラとしては充分なのに、弟が…うぅ…

 


でも春人のトラウマで私が一番なんか感銘受けたってかすごいと思ったのって、弟が亡くなった事実以上に、母親に言われた「なんで一人で帰って来たの!」が刺さって抜けないことで

 


自分も怖いし思いをして命からがら逃げて来たのに、それを愛する人に否定されてしまったらもうさぁ…

 


あぁ、俺は一人で生き残っちゃいけなかったんだって自分を責めちゃうよなぁ

 


そうなんだよ、弟の死という事実以上に、そーゆー言葉のひとつひとつがずっとトゲみたいに心に刺さって、呪いみたいにいつまでも苦しめるものなんだよね

 


あと、春人の両親がいつまでも春人にめちゃくちゃ甘いのも、この時思わず発してしまった罪悪感もあるのかなぁと

 


それが逆に春人を苦しめてるんだけどね

 


智の分も生きてっていう言葉は、おまえは人一人の人生を背負わなきゃいけないだけのことをしたんだぞっていう呪いと同じだから

 


だから自分の生きたい人生を生きることより、どう生きれば智や両親に償いができるかばかり考えてしまう

 


最後に「ダメじゃない、そーゆー時は逃げなきゃ!」って言う母親も、正直おまゆうってかんじなんですけど、そっか、お母さんもずっとあの時ポロっと零してしまった言葉の罪悪感を背負ってきてたんだなって

 


それをずっと、あなたが元気で生きていてくれるだけで幸せだよって、言葉で伝えたかったんだろうな

 


子供にとって親は神そのものだけど、所詮親も過ちを犯す人間だからなぁ

 


あと印象に残ってるのは、オレンジを賢太郎と分け合うシーン

 


「あなたはオレンジの片割れ」というスペインのことわざのように、同じ苦しみ(それ以上)を持った賢太郎と罪を分かち合おうとする描写が見事で

 


大丈夫、あなたよりも俺の方が惨めで酷い人間だから安心してと、賢太郎の重荷を自分が多く引き受けるように

 


自分を蔑むことで他人を宥めようだなんて、しんどいし辛すぎるけどホント春人のそんな優しさが好きだー!!

 


物語の落とし所も大好きで、序盤に「我こそ勇者なんて言う人はどんな気持ちだったんだろう」という序盤の問題提示があってからの、ラストで仲間に囲まれて「あぁ、こんな気持ちだったんだ」っていうまとめ方ホント鳥肌ものでした

 


そしてすごく好きなのは「智がまねっ子だったんだ」のくだりで、おまぇぇぇぇーーー!!って号泣した

 


紛れもなく…お兄ちゃん…

 


【これからは黄昏に身を留めるのはやめよう

鮮やかな朝焼けを自分のものにしよう】

というトラウマを克服して報われた表現よ…

 


春人は自分で自分を許してあげることが過去を乗り越える鍵だったから、すごくこのまとめ方は気持ちがよく爽快だった

 


ね!!ここで終わっておけばいいものを!ね!!怒

 


公式のオススメ通り最初に読んだ個人ルートなわけですけど、やっと過去のトラウマを克服して帰路に辿り着けて、「よかったねー!よかったねぇーハルたーーん!!」と感動していたらワインっておま…

 


私は忘れていた…

 


「ネヴァジスタなら死んでた」というツイートを見てこの物語を始めたことを…

 


「はぁ!?なにそれ!?なんでそんな酷いことするの!?だって君はこれからぁ!!幸せにさあ!なるはずだったじゃん!?あぁぁぁぁぁぁ!!」と発狂しながら大号泣

 


私もともと、死ネタとか死の美学とか大好き人間で、死ぬ間際だからこそ残せる、伝えられる人間の醜くも美しい部分を描くストーリーが大好物だったはずなのに、この展開だけはもう好きのメーター振り切ってまじでこんな残酷なことある?としんどかった…

 


展開を知らなかったからというところもあると思うけど、とにかく泣いて共感度が高い白峰ルートでした

 


SSで賢太郎と随分イチャイチャしてるみたいだけど、いつ結婚すんの?笑

 

 

 

 


茅晃弘

 

 

 

振り幅がとてつもなく広い人

 


第一印象は、幽霊棟の子供達の中で一番穏やかで生徒会長を務める優等生なのに、不本意に事件に巻き込まれちゃった系人物だと思ってたんですね

 


トラブルの張本人でした

 


Mr.トラブルメーカー

 


浴槽の件でおいぃぃぃぃ!!と突っ込み入れたわ!

 


ホントにびっくりした!

 


キャラの名前見間違えたと思ってちょっと戻って二度見したわ!

 


しかも浴槽に沈められた時の「〇〇に何か言われたのか!?」の選択肢なんだけど、この時点ではなんで春人だと助かるんだよ分かるかって感想だった気がする

 


今ならよく分かる

 


春人のことになるとパニックになって敵にもナイフ渡しちゃうバブちゃんだもん

 


個人ルート読み進めていくと、一番常識からズレてるってかぶっ飛んでんなぁと

 


ただ、SSなんかでは結構がっつりツッコミ不在のボケ担当なので、なんとも愛くるしく今は思えます

 


そして茅ルートもまた大好きなんだなぁ

 


こういう兄弟のいざこざ問題ホントしんどいんだけど、同じ屋根の下に生まれたはずなのに派閥や役割を決められて違う育て方をさせられてしまうのほんとさぁ…

 


余談ですがアイナナの拮抗のクォーターの虎於編見た時、まさしくこれ茅ルートやんって思ってしまった

 


「兄を許す僕は情弱に思えて、兄を憎む僕は暴虐に思える」って表現がすごく好きで、許したいんだけど許せないって葛藤にずっと苦しんできたんだなぁと

 


自分がおかしいと気付きながらも、自分はまともだと言い聞かせてるところや、「誰か僕を助けてよ」と泣くシーンはまじでボロ泣き

 


「大人の男と同じものなのに、泣き声は子供と一緒だった」っていう表現がホントに17歳という体は大人なのに中身はまだ子供の思春期を表してる

 


ずっと誰かに甘えたかったんだよね

 


助けてほしかったんだよね

 


それを分かってあげる賢太郎もまじお兄ちゃんだし、本編以降の賢太郎への甘えっぷりが可愛くて可愛くて…

 


完全に賢太郎の中でもオキニポジ

 


春人&賢太郎はお兄ちゃん同士で大人っぽい常識人の会話なんだけど、晃弘&賢太郎はホント兄弟そのもの

 


浴槽に沈められたシーンを見た時、誰がこの展開を予想できたか!

 


誰よりも清史郎が好きで、どうにかして取り戻さなきゃって必死だったからなんだよなぁ

 


Project N!!!の

「僕は津久居さんの手先にもなりますよ」

「よしよしおまえはいい子だな」

のやりとりもすごく好き

 


そして一番泣いたのが

何度も白峰に繰り返しては、落胆し続けた問いを彼に向けた

「僕を覚えている?」

「ーー覚えてるよ」

の瞠とのシーン

 


はぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 


よかったなぁ茅さぁぁぁん!!!!

 


ようやくあの夜が明けて朝が訪れたねぇ…

 


ただな?

 


その後の春人に対する態度だけはおまえあかんぞ?

 


ACTのタイトルも「朝の訪れ、返した手のひら」ってえげつない

 


でもそれも妙に納得してしまって

 


きっと、自分の中の他人に注げる愛のキャパシティが決まっている人なんだと

 


そーゆー人って特定の人にしか優しくできないしすごく極端だからなぁ

 


好きな人に70%、嫌いな人には30%の愛情配分をするくらいなら、好きな人に100%、嫌いな人には0%の配分をしちゃうタイプ

 


皆平等に愛想を振りまくくらいなら、好きな人に全力で持てる全ての愛を注ぐ重いタイプぐぅ分かるー!

 


そーゆー人間らしいの卑しさや醜さが好きなんだーー!

 

 

 

 


和泉咲

 

 

 

和泉ルートは、えぐい、のその一言

 


本物の地獄はここにあったのか

 


まじでスリルショックサスペンス

 


「僕はシリアスに茶番に付き合ってる」っていう表現がまさに咲の情熱と諦めを表してるんだけど、他の地獄とは地獄のジャンルが違いすぎた

 


咲の場合はもう過去のトラウマというよりも、自分の存在自体が汚らわしく思えてしまうほどの、変えることのできない「事実」で

 


みんなのトラウマって、心持ちや考え方ひとつで罪悪感が主なものになるから、自分次第で克服する方法がありそうなことなんだけど、咲はホント何も悪いことしてないし、心持ちひとつで解決できるようなものじゃないっていうしんどさ

 


悲劇は自分が起こしたんじゃなく、生まれる前から始まってたんだもんな

 


正直これを悲劇と呼んでいいかも私の考えでは難しいところなんですけど、まぁショッキングなのは間違いない

 


【彼女に恋をしながら、堪えて堪えて触れないようにしてきたもの、嫌悪していたもの。そこからーーこの子は生まれた】

【自分が必死に拒んでいたものから

既に生み出されていた】

ってさぁ、救いようがなくない!?

 


その一線を越えたらダメだダメだって自分に言い聞かせて必死に抗ってきたのに、自分の出生がまさにそれだったなんてさぁ…死ぬしかない…

 


そしてそのバラし方がまたえげつない

 


「知ってたんじゃないの」って誠二にハメられた感というか、悪意が死ぬほど感じられてまじで許さん

 


咲は出生の事実以上に、そのことが一番ショックだったんだろうな

 


大好きで父親だと思ってた誠二にだもんね

 


そりゃあ自暴自棄にもなるわな

 


なんかアイナナ民の方で和泉一織養子説を誰かが言ってるの見たけど、その考えって咲のこの展開から来てるんではないかと思ってしまった

 


最初は

「いやいや、考えすぎ。

これアイドルものよ?」

とか思って笑ってたけど、ネヴァジスタを読んだ後の私は

「都志見先生ならやりかねねぇ!」

と震えているよ

 


ほら、名字和泉だしさぁ…

 


そして自分をツバメに例えた物言いも好きで

 


【僕はツバメだ。

生きる時も死ぬ時も放っておくべきの】

 


いやこれ天才すぎる

 


あと、咲がツバメの世話を投げ出してしまう子供ならではの、命の重さが分からないがゆえのワガママがすごく共感できる

 


絶対世話するから!って子供は約束するのに、いつの間にか面倒になってその頃の気持ちなんか忘れてしまうんだよね

 


自分の命さえも軽く見て扱った咲だからこそなのかな

 


でもこの件で、咲が獣医を目指すのすごく好き

 


そしてお医者さんがまたいいこと言うんだよなー!

 


あと、SSで眞に、「どうして嫌なことを言うの」って言う子供っぽさも好きだ

 


僕は無敵になる必要がある、とかもね

 


咲視点の話は語り方がまさに子供のそれだから、絵本を読んでるような優しい気持ちになれる

 


そしてまさか槙原とのあんな選択肢を選ぶことになろうとは…

 


槙原が咲に迫られた時の

【ここは水の中だ】

っていう心の葛藤がすごい分かりみが強くてすごく好きなんだけど

 


【これが救いなのか。

これしか方法がないのか】

ってのね

 


この頃まだBLに耐性が無かったもんだから、それはもうドキドキしながらいけないものを見るかのように見てたさぁ!(もう腐ったので手遅れ

 


咲は約束とか愛情とか目に見えない曖昧なものよりも、体で繋がってた「事実」の方が確かなものを感じられるんだろうなぁ

 


その「事実」の結晶として苦しめられることになるんだけど

 


そして大好きなシーンなんだけど、終盤の花とのやりとりで

「僕を振ってよ。付き合ってください」

「できません」

「どうして?」

「咲を愛してるから」

「いいえ、

あなたの方こそ、幸せになってください」

のところでもう涙腺崩壊ーー!!

 


かっこよすぎかよ…男前…

 


【先生、知っていたよ。

先生はドアを開けてくれる人だ】

っていうところからの自分の世界が変わった描写が美しくて好きなんだけど、果たしてこれが本当にハッピーエンドと言えるのか!

 


子供の考えが大人になったというだけでは何も解決されていない事実ばかりだぞ!

 


ワインのシーンで幽霊棟の仲間達が誰も傍にいないのもしんどすぎない!!??

 


自ら槙原の部屋の扉を叩いて呼びに行ってさぁ…大好きな先生と二人きりでさぁ…うぅ…

 


机に突っ伏してる咲を見つけた槙原が放心状態で意味もなく周りを見回す描写もめちゃくちゃ好き…

 


そして最後の

【空を見上げて鳥がいた時、仲良くなりたい人と話ができた時、ちょうどよく電車が来た時に、僕を思い出してね】

が死ぬほど好きなので咲を愛さずにはいられない

 


今も咲は私の隣に立ってる(怖い

 


「良かったねー!咲ぃぃぃぃ!!」という言葉をかけてあげられないほどに遺恨を残したルートだった

 


都志見文太の本気を見せつけられた

 


頼むからアイナナ界の和泉には何もしないでやってくれ

 


正直和泉ルートは一周目の時にはその衝撃が強すぎて何も消化できなかったんだけど、二周目三周目をやってみて、槙原がめちゃくちゃいいこと言ってたり、誠二の過去が垣間見れたり、咲の格好良さがようやくちゃんと響いてきて、今では一番好きなルートになった

 


みんなもっと和泉ルートの話してくれ

 


神花はいいぞ?(そこかよ

 

 

 

 


辻村煉慈

 

 

 

ジャイアン

 


才能に溢れた文化人

 


不器用なオレ様キャラ

 


小説家ってだけあって、物語の進行を綴る言葉が本当に美しくて始終聞き惚れた

 


【何かを手に入れようと靴を履いては

通り雨を言い訳に窓を閉めた】

とか大好き

 


誰かが考察みたいなやつで、「煉慈は自分がはれて嫌なことは人にはしないようにしましょう」ってことを教えてもらえなかった人って書いてたけど、まさにその通りだなと

 


だから可哀想な子供だよね

 


親に教わるべきことを教えてもらえなかったんだから

 


「表現されたものしか分からない」って表現の通り、人が内に秘めた気持ちを察するとか理解しようとすることができなかったんだろうなぁ

 


【自分を好きでいなければーー俺は俺に望みが持てなかった】

はクソ共感だしどの人間にも言えるとこだと思うんだけど、煉慈は自分で一番それを分かってるのに、他人もそうだっていうことが分かってあげられない世界が狭い子供だったんだろうな

 


親に構ってもらえなかった分、横暴に振舞って大きな声で自己主張をしようとしてたんだな

 


でも父親の気を惹こうとする為に、父親の好きなものを勉強したり、会話をする為に家事を引き受けたりと方法を必死に探したかんじがホントにいじらしくて可愛いな…

 


結局父親が自分の為に書いてくれたと思ってた

【この物語を私の息子に捧ぐ】

が煉慈のことじゃなかった結末はしんどかった

 


二周目やってみて痛いほど感じたけど、槙原が度々煉慈に「そのままじゃ全部自分に返ってくるよ」みたいなこと言ってるんだよなぁ

 


その頃の煉慈は嘲笑って相手にしないんだけど、ホントにその通りになってしまった…

 


そして究極のツンデレなので、先生が自分がめっちゃ愛されると気付いてからのデレぶりがやばい

 


好きな人にはとことん尽くすのに、口下手でうまく伝えられない人

 


だからこそ文章を綴るという表現方法を選んだんだろうな、辻村一族は

 


口上で【大好きな先生に贈るよ】って言った時には「ん?煉慈が先生って言った?大好きって?まじ?」と思いながら進めてったんだけど、最後には先生大好きっ子になってたもんな可愛い奴め…

 


あと、THE FOOLの作品になっちゃうんだけど、煉慈が演じるキャラがクスリを打とうとする時に

「夢の中で俺は万能なのか。

人に親切で愛されているのか。

優しい人間なのか。

過ちはひとつも犯さないのか…。

おとぎの国でおまえに会えたら、

おまえは俺も愛してくれるか?

分かってるさ、

自分を愛することが一番難しい。

おまえは、俺は、

いつも理想の姿をしていないからだ」

って言うシーンさぁ

 


まさに辻村煉慈の本音をこんなところで聞けるとは思わないじゃん…ぐぅしんど…

 


そしてボイスが鳥海さんなので、その意味でもやばい

 


ボイスの話ばかりになっちゃって申し訳ないんだけど、Episode0のドラマCDで火事の幽霊棟から脱出したあと

「逃げ遅れた奴は!?和泉ぃ!!」

「ここにいる」

「…あ…ははっ…。小さいから見えなかった」

の焦りようと安心しきって皮肉る言い方がもうまじで煉慈のそれで100点満点だった!

 


声優ってまじですげぇのな!

 


N卓の煉慈もエモエモで大好きなのでどうかフルボイス化していただけませんか…

 

 

 

 


御影清史郎

 

 

 

スーパー攻め様

 


こーゆーさぁ、自分が愛されてることに一切の疑いも持たないキャラ大好きなんだなぁ

 


「瞠は俺を探すよ」って自信満々に言ってのける台詞まじで好き(どの部分か忘れたけど)

 


普通そんなふうに思える?

 


私は超絶ネガティブマンなので絶対無理だし、だからこそこーゆーこと言えちゃう人に憧れちゃう

 


そして瞠がまたそのことに気付いてるのもいい

 


瞠のことだからそんなふうに言われたら放っておけるわけないよね

 


ただ、仲間を嫌いな大人にしない為にワインを渡すのはかなりやばい

 


愛が重い

 


一緒に心中させるタイプ

 


そりゃあ大好きな兄ちゃんがあんなに絶望する姿になってたら、大人に対する嫌悪感はやばいだろうし、自分もいつかああなるかもしれないって思うと不安で仕方ないよな

 


自分が死を選ぶだけならまだしも、それを友達にも提案するというサイコパスな考えだとは思うんだけど、幽霊棟の子供達にとって自分はトラウマの塊であり、清史郎はそんな醜い自分の全てを知った上で、それでも今の君が好きだよ、と言ってくれるまさに救いの全てなんだよね

 


自分が愛せなかった自分の全てを愛し、ありのままの自分を受け入れてくれる存在の彼が、これ以上醜くなってしまう前に、彼を絶望させる存在になる前に、彼が一番大好きな今の姿のまま全てを終わらせようと誘ってくれている

 


これってただの死への誘惑だけではなくて、今の自分への最高の賛辞に取れるわけで

 


死んだ方がマシだということよりも、今のまま死ぬことで救われるという選択を提示してくれてるってさぁ…

 


瞠が言った、自分の存在全部を肯定してくれる、そこにいるだけで幸せだよって教えてくれる人は自分にとっては神様だということと同じで、彼らにとって清史郎は神様のような存在だったんだと思う

 


だからこそ乗ろうと思ったんだってね

 

 

あと大団円ルートの手紙が重なるシーンで、少しずつ清史郎の諦めが混じるところしんどすぎて泣いた

 


正直清史郎の計画に至った思考は服毒本を読んでようやく理解できたくらいなので、「子供の純粋さ、残酷さ」という清史郎自身にもどうしていいか分からなくて他人に選ばせたというところがめちゃくちゃ染みた…

 


あと、最後先生に「兄ちゃんがひどいことしてごめんなさい」って泣くのまじで無理、しんどい

 


この長い監禁事件の真相は、たったその一言を伝えたいだけだったんだよな…

 


大事な友達の古川と賢太郎との間で、板挟みになって苦しかったんだよね

 


失望した賢太郎のことも、もう一度好きになりたかったんだよね

 


だって弟のことを春人が話した時に、「俺の兄ちゃんならそんなことしない」ってさぁ

 


絶対的な信頼を寄せてたからこそ、裏切られたようで辛くて監禁なんてぶっ飛んだ考えに至ったんだろうな

 


ただ、この台詞春人にダメージ1000だからな?

 


「復讐頑張ってね!」もそうなんだけど、なかなか言えたもんじゃない、やはりサイコパス

 


清史郎の問題は本編ではわりと放置気味に終わっちゃうんだけど、ハニカムストでようやく賢太郎とのハッピーエンドを迎えられたと思ってるので、救いのエピソードがあってホント良かった…

 


【これはーー

俺がネヴァジスタにいた頃の物語

大人になることをーー

憎んでいた日々の話

さよなら  俺のネヴァジスタ

これからはーー

明日を生きていく】

 


もうこのエンドが本物の大団円だと思ってるので、まじで泣いた本当に良かった…泣

 

 

 

 


槙原渉

 

 

 

すごく常識人っぽいし人当たりもいいのに、実は一番やべぇやつ

 


ホントいい人なんだけど、正しさで人を殺すってまさにこーゆーことだなと

 


もちろん正論だし、古川の為だと思って頑張ってるんだけど、結局裏目に出ちゃう

 


正しさは正義と信じて疑わないんだよなぁ

 


それが彼の強さであり弱さなのかなと

 


そして知らず知らずに共依存の関係を築いてしまったわけだけど、そりゃあゆっこや南も心配するわ

 


本編では瞠との掛け合いがメインだったけど、俺を信じてという瞠に「約束しなくても君に望んでもらえるように僕が努力することだ」って言うの本当にぐぅ正論

 


和泉ルートと辻村ルートでも、二人を諭すようなちゃんと教師らしい素晴らしい台詞もたくさん言ってくれてるんだよなぁ

 


清史郎に言った「君が大人にならなかったら、誰が次の子供達を叱ってあげるの?」とかも本当に好きで

 


そしてすごく好きなのが、春人を抱きしめてよしよししてあげるシーン

 


「ほんとにね、帰ってこればいいのにね」

「いくじがないんだなぁ」

 


って諭してあげるところ、包容力MAXの槙原まじでやばい好き!

 


古川にもそうしてあげたかったんだよねぇ!泣

 


基本的に優しくておとぼけで包容力ってかんじのシーンが多いんだけど、特定の相手には急に口悪くなるのまじで性癖

 


和泉ルートの

「いい夢を?

うなされてるのはあなただろう。

これは僕の復讐だ

ーー地獄を見てろよ」

のくだりで惚れた

 


あの革靴で扉をガッと止めるシーン、好きすぎて頭の中で勝手に映像が出来上がってるんでいつか何かしらで映像化して

 


そして彼の教師になった理由というかトラウマのお話なんだけど、自分が実際何かをして不幸を呼び込んだわけではなくて、そう思ってしまった、不幸を願ってしまった、それが現実になってしまった、これは神様の天罰だって思考すごい分かるしんどい…

 


願っただけなのにな…

 


ただそれだけなのに、罪悪感から抜けられなくなってしまう

 


子供の純粋な心理って、そーゆーところでトラウマになっちゃうのよね

 


自分より小さい子の面倒見れるって証明しなきゃという使命感が、瞠達との出会いでちょっとでも変わってくれたらいいなぁ

 


誕生日SSで誠二を実家に招いて飲み会するシーンも大好きで、あの人間不信の神波誠二が友人認定しちゃうくらいには心開いてるのでどうぞこれからも彼のことをよろしくお願いします(だがしかし既に時遅し

 


イングリッシュマン・イン・ニューヨークを聴くと、誠二の「自分のやり方を変えることはないさ」で笑顔になった槙原を思い出してニヤニヤしてしまう

 


そしてハニカムストの最後で

「いいんだよ。神波さんを好きでいても」

って瞠の葛藤を肯定して抱き締めてくれるとこなーーーーーーーー!!!!!

 


ありがとう先生…あなたのおかげで瞠は救われたよ…

 


そして私をかんなみはるという沼に落としてくれてありがとう…

 

 

 

 


古川鉄平

 

 

 

実は登場人物の中で、一番共感部分が多かった人

 


古川の一言一言に、これ、私のことじゃんと目から鱗だった

 


なんとなく境遇が似てたからかなぁ

 


「俺は自分に、夢を見ていた」とかもそう

 


別に私は警察官の父親を持つ長男ではないけれど、彼と同じように親が望む生き方とは別の道を見つけてしまって、でもそれを言い出せずに結局家を飛び出してしまった過去があるので

 


本当は、親の期待に応えられるような自分になりたい

 


だけど、自分の中で生まれた違う自分を認めて欲しかった

 


そのせいで、認めてくれない親のことを責めたり、もしくは望むように生きられない自分を責めたりもした

 


だけどその矛盾する感情の行き着く先が分からないままただ突っ走ってたあの頃の私に答えをくれたのが

「いいえ、今ここにあるもの全て、

あなた方のおかげです」で

 


そっか、私もそう言いたかったんだ

 


自分の生き方を両親に証明したかったわけじゃなくて、自分の夢を叶えて誰かに認められる手柄を立てて、あなた達のおかげですって両親に感謝したかっただけなんだなって

 


両親のことをもう一度好きになりたかったんだなって

 


ネヴァジスタ史上、私が自分を重ねて救われたのがこのシーンでした

 


数いるネヴァジスタファンの方々の中でもこのシーンが一番心に響いたという人はいないだろうというくらい、自分がコアな人間だという自覚はある

 


ただ、人間はいつも理想の形をしてないからね

 


大空を翔ける翼も、大地を走る蹄も持っていない

 


でもそこで、槙原先生の「同じように前に進むなら、何を嘆くことがあるの」の言葉が本当に救いで

 


この朝焼けは君の為のものだよって言ってくれる先生に、どれだけ救われたか

 


いろんなルートに枝分かれしてるこの作品だけど、どこに行っても古川の生存ルートだけが存在しないことが本当に辛い

 


SSでもっと古川の話読ませて

 

 

自分の話ばっかで古川のこと全然話してなくてホントすみません

 

 

大好きなキャラクターです

 

 

 

 

 

神波誠二

 

 

 

もうこの人に関しては、いろいろ言いたいことがあって困惑するんだけど、とりあえずいろいろ引っくるめた上での推しです

 


全ての原因は彼にあるけど、でも彼が全て悪いわけじゃない

 


アイナナの百が言ってた

「最悪な人なんていない、

最悪な状況があるだけだ。

それだって、風邪みたいなもんだよ」

ってことなんだと思う

 


最悪な状況下に生まれて、だけどそれを否定しないことには自分の存在意義を無くしてしまう

 


そんな葛藤と戦い続けていくうちに、間違った自分の守り方を身につけてしまった人なんだなと

 


もちろん彼がしたことは許されないし、本編を見ていく中で「は?こいつなんなん悪魔やん絶対に許さん」と怒りを抱えてたのに、birthdayエンドとねがいエンドを見た途端にもう彼の悲劇を嘆くことしか私にはできなかった…

 


私は彼を責められるような立派な人間じゃないし、彼を最低な人間だって言うには不毛な点が多すぎて

 


birthdayエンドとねがいエンドは本当に鳥肌ものだったし、彼の犯行の動機がずっとあの時「はい」を選べなかった自責から来てるんだと思うと…無理すぎた

 


人を不幸に陥れて楽しんでいる愉快犯なんかじゃなくて、ただあの日の呪いに囚われて怯えている臆病な子供なんだって

 


全てを終えた今も彼自身が幸せになれてないのがその証拠だよ…

 


和泉ルートの「お母さん…」もしんどい

 


槙原にとっての古川と同様、死んだ人間に敵うものはないもんな…

 


そしてあの崖に取り残された瞬間に子供の神波誠二は一度死んで、復讐鬼の神波誠二が生まれたbirthdayという暗示を込めたエンドタイトル天才すぎな

 


そして本当に驚いて鳥肌だったのが

「その夏 最後の嵐の夜 僕は死んだ」

の正体だよ…

 


本編の冒頭で出てくる言葉だし、当然のように清史郎ことだと思ってたじゃん?

 


誠二…おまえだったのか…(ごんぎつね

 


これはおまえの物語だったのか…

 


物語の一番最初に蒔いた伏線を、個人ルート終えて神波誠二への憎しみがピークのところで投下して回収する都志見先生すごすぎない??

 


見事に手の平の上で踊らされたしまんまと一瞬にして神波誠二を憎めないただのグズさんに仕立て上げる演出にしてやられて本望ですいい加減にしてほしい

 

 

 

そしてSSで一番好きなのが、槙原先生と飲み比べしてベロンベロンになった誠二が言った台詞

 


「ーあ。って思っちゃうんだよ。

あ、幸せにできる。いいのかなって」

のシーン

 


全ての元凶の自分が幸せになるなんて、楽しくて笑うなんて許されないって自分の首を罪悪感で締め続けて…

 


罪悪感があるならやるなよって一言で言ってしまえばそうなんだけど、私こーゆー罪の意識はあるのに自分を守ろうとするあまり取り返しのつかないことをしてどんどん沼にハマって抜け出せなくなってしまう人間がどうしようもなく愛しくて

 


まさにバブちゃんでグズさん!

 


彼は消して冷酷完全殺人鬼なんかじゃなくて、苦しいくらい、憎らしいくらい、人間らしい臆病な人なんだなって

 


正直神波誠二を推してることに後ろめたさもあるし、彼を許せないという人達の気持ちももちろん分かるので

 


奴のことが嫌いな人なんか地雷です!とかそーゆーの一切ないんで

 


神波誠二のことは嫌いでも、私のことは嫌いにならないでください!(逆だろ

 


まぁ彼に対する感情は瞠と同じで

「どうか  彼が泣き叫ぶほどの罰と

優しい救いを与えてください」

というかんじなので、清史郎が与えた幽霊島という試練こそがまさにそれだと思ってます

 


神波誠二が彼自身の罰と救いの為にどんな「魂の再生」を見せてくれるのか待ち遠しくて仕方がないので、いつまでも待ちますんで幽霊島ホントによろしくお願いします

 

 

 

 


津久居賢太郎

 

 

 

自尊心で自分を保ってる男

 


根っからのお兄ちゃん

 


本編中に河原に助けに来るシーンや、個人ルートでみんなに寄り添う姿もまじでかっこいい、惚れる

 


私もしつけに童話やおとぎ話を絡めてくれるお兄ちゃん欲しかったよー!

 


「昨夜おまえは空を飛んでたよ」って言われてワクワクしたい

 


賢太郎は本編終了後のSSの方が見せ場があるというか、すごくお兄ちゃん力を発揮しているので、プレイ後の方が好感度だだ上がり

 


ただ、公式の人気投票で生徒を差し置いて一位を取ってるのは正直ビックリした(自分の意見が少数派だという自覚はある

 


あくまで個人的な意見だけど、私はこの作品って賢太郎を責めて清史郎を庇うような物語に仕立て上げてるような作り手の意図を感じたから

 


賢太郎は手紙を返さなかった、あの日の涙を忘れてしまった、清史郎が憧れてた人とは全くの別人になってしまった

 


だから清史郎は被害者で、賢太郎が加害者みたいな図に見えてたというか、そう見せたいのかなって

 


賢太郎に対してはそんなほのかな悪意のようなものが感じ取れたし、彼を悪役として見せようとしてるように私は思えたけど、世の中のたいていの大人って賢太郎みたいな姿をしてるからさぁ

 


だからこそそんな賢太郎を通して

「貴方は望んで大人になりましたか?」

というメッセージを私達読者に問いかけるものだったのかなと

 


正直最初私は自分を幽霊棟の子供達の方に重ねてたから、「賢太郎ヒドイ!清史郎可哀想!」みたいな感想だったんだけど、二周目からは自分は賢太郎や槙原側の立場なんだと気付いて、いろいろ考えさせられた結果賢太郎を責める気にはなれなかったよね

 


賢太郎を責めることは自分を責めることだし、誰しも子供の自分をある程度忘れてしまうことでしか大人になれないと思っているから

 


賢太郎はあの夜、親の離婚を受け入れなければいけなかった

 


諦める理由を見つけなければなかなかった

 


そうしないと苦しくてうまく生きていけなかったから

 


あの夜に子供の賢太郎は死んで、どうしようもできないことは簡単に諦めて忘れてしまえる大人の賢太郎が生まれた

 


私、大人になる=ラクになることだと思ってて

 


自分の思う通りにいかないことがあった時、子供は正当な答えを探そうと悩み続けてしまう

 


一方大人は、理由をつけて片付けてしまえる

 


これは無理だな、仕方ないことだなって

 


何かに変換して自分で答えを用意することができる

 


そうして世の中の理不尽なことも引き出しにしまって消化できると、感情の起伏も少なく心がラクになって麻痺していく

 


自分をラクにしてあげられる方法をうまく見つけられる人が、「大人」なんだと思ってた

 


子供の考えは、辛く苦しいものだから

 


だからこそ槙原の言った

「君をラクにするものを僕がひとつでも

ーー僕が渡すと思わないで」

は地獄そのもので

 


この作品の中に賢太郎の救いは存在しないし、これから一生答えの無い問いに向き合っていくことが彼の業だと思うと本当にいたたまれない

 


何故なら、それは私達にも向けられたものだから

 


だけど賢太郎が清史郎と向き合うことは、清史郎を救うことと同時に、あの日死んでしまった子供の賢太郎を救うのと同じこと

 


だとしたらこれからの賢太郎の人生自体が彼自身を救う物語だし、それに清史郎が気付かせてくれたことで彼の罰と救いはもう始まってるんだと私は解釈してます

 


私、都志見先生の使う

「それでも、続いていく」

っていう言葉がすごく好きで

 


アイナナが「終わらないアイドル」を掲げた時に、楽しくて幸せな夢な象徴が終わらずに続いていくということは、なんて幸せなことなんだろうと思ったんですよ

 


終わらずに続いていくことは、希望の象徴だと

 


だけどネヴァジスタで使われていた

「それでも、続いていく」は、

紛れも無く絶望を表すもので

 


【夜に嫌気がさして、

朝に望みを抱いても、

また黄昏には裏切られる。

それでも、続いていく。

死にかけた魂が、

だらしなく体にぶら下がっている。

それでも、続いていく】

 


今あるこの最悪な地獄が、終わることなく一生続いていく

 


それは紛れも無い恐怖と絶望で、それから逃れるには人生を終わらせてしまうしかない

 


そんなふうに思えました

 


その絶望に向き合っていくことを決めた賢太郎

 


まだそれからさえも逃げ続けてる誠二

 


自分の本質に気付けないまま、強迫観念に駆られている槙原

 


この三人の大人達の罰と救いへの向き合い方が描かれるのが幽霊島のネヴァジスタ(仮)だと思っているので、本当にその物語を読むまでは死ねないです

 


本当は強くないあなたへーー

 


本当は優しくないあなたへーー

 


本当は許されたいあなたへーー

 


彼ら三人の物語であり、大人になってしまった私達読者に向けた救いの物語を心より!心よりお待ちしております!!

 

 

 

 


とりあえずここまでで本編を四周終えたところなので、SSや服毒本を改めて読み返す期間に入りたいと思っています

 


長々と読んでくださりありがとうございました

 

 

 

 


🍷グズ🍷